MSX−H8カートリッジを作ろう
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現在、MSXのスロットにさすH8カートリッジを製作中です。H8CPUを、MSXのサブCPUとして使おう、というものです。
試作品のハードはすでにできています。配線量はそれほど多くなく、多少ハンダ付けに自信のある方なら誰でも作れると思います。目安としては、似非職人工房の「MEGA−SCSI」を手配線で作ったレベルの人なら楽勝です。皆様もひとつ作ってみてはいかがでしょうか。
構成
CPU
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H8/3048 16MHz(秋月AKI−H8ボードをほとんどそのまま流用)
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RAM
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1Mバイト(628512×2)、16ビットバス接続
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MSXとのインターフェース
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8255 モード2によるパラレルインターフェース
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MSX側から見た接続形態
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メモリマップドI/O(ENASLTでカートリッジのあるスロットを選び
04000H〜04003H番地または08000H〜08003H番地をアクセス)
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H8のEEPROMに
内蔵するソフトウエア
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ブートローダーのみ。
アプリケーションソフトはそのつどMSX側からロードし、実行させる
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その他
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アナログ音声入力(イヤホンジャックより入力)
アナログ音声出力(MSXカートリッジバスのSNDINに出力)
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回路図(00/02/20)
回路図です。
私が作った試作品の写真です。1号機改と2号機以降の写真もあります。(99/12/11)
書きかけのマニュアルです。
実際に製作する際の諸注意、ヒントなどです。
開発コンセプト
「ハンダ付けができる人なら誰でも作れる」ことを目標にしました。特に以下の点を注意しました。
・特殊な部品を使わない
どれも秋葉原で普通に買える部品ばかりです。一般の人には買えないような特殊な部品は使っていません。
・特殊な開発機材を使わない
とりあえずウインドウズパソコンがあれば十分です。いずれMSXだけで開発できるようにしたいです。
・あまり高価にしない
価格的に大きいのは秋月H8開発キット(\7800)とRAM 628512×2(\5000程度)くらいです。その他の雑多な部品を含めても1万5〜6千円くらい、高くても2万円くらいでしょう。それを高いと思うか安いと思うかは人それぞれでしょうが、「目玉が飛び出るような」金額ではないと思います。
ちなみに、すでに秋月H8開発キット(\7800)を持っている人は、単体のAKI−H8ボード(\3800)を買えば良いので、さらに安くなります。
・あまり複雑にしない
いくら高性能でも、作る気がしないほど複雑では意味がありません。秋月のAKI−H8ボードをほとんどそのまま流用し(ごくわずかに改造しています)、他の回路も必要以上に凝らない簡潔な構成にすることによって、できうる限り配線量を減らしました。
何ができるの?
以下に書くことは、あくまで「実現可能である」といったことであり、実際にはまだ実現してないものもあります(というか、実現していないほうが多いです)が、H8はこれらを実現するのに十分なパワーをもっており、あとはソフトさえ組めばいいのです。
・PCMの録音、再生に使う
H8はA/Dコンバータ、D/Aコンバータを持っています。ですから、PCMデータをカートリッジ上の1MのRAMに置けば、MSX側にほとんど負荷をかけることなくPCMの録音・再生ができます。
・サウンドエフェクターとして使う
同様に、A/D、D/Aコンバータの応用例としてサウンドエフェクターが考えられます。MSXのサウンド出力をMSX−H8カートリッジの音声入力に入れてやり、コーラス、ディレイといったエフェクトをかけてやり、またMSXのSNDINに戻してやれば、聞きなれたPSGやFM音源の音が新鮮に聞こえるでしょう。
・演算エンジンとして使う
H8は32ビットの加減算は1命令でできますし、16ビット×16ビット=32ビットの乗算命令、32ビット÷16ビットの除算命令もありますので、演算能力はZ80は言うまでもなく、R800よりもはるかに上です。複雑な計算はH8側で行い、MSX側は画面表示に徹するようなプログラムを組めば、MSXのCPUとH8は並列に動いていることもあって、かなりのパフォーマンスが期待できます。
・インテリジェントRS−232インターフェースとして使う
H8内蔵シリアルポートを利用して、RS−232の処理を行わせれば、非常に優れた通信環境ができると思います。MSX側がVRAMアクセスやディスクアクセスなどで割り込み禁止状態になっていてもH8側は受信処理を続けられます。それに、受信バッファとして1Mバイト近くも使えるのですから、取りこぼしはまずないでしょう。さらに、H8側でPPP、TCP/IPの処理まで行わせれば、「MSXでインターネット」も実現できるかもしれません。